無料のバージョン管理ソフト Git のクライアントソフト TortoiseGit を用いて、 PC 内にリモートリポジトリを作成して、ローカルリポジトリの指定したブランチのコミット内容を、そのリモートリポジトリの指定したブランチにプッシュします。
後半では、リモートリポジトリのログメッセージなどからプッシュされたブランチのコミット内容を確認します。

※ TortoiseGit-2.17.0.2-64bit を使用します。
PC 内にリモートリポジトリを作成
例として「G:\Dev\remotes\godot\SakuraCrowdGodotLib」に新規作成したフォルダにリモートリポジトリを作成します。
新規作成したフォルダをエクスプローラで開いて右クリックして表示されるメニュー「Git ここにリポジトリを作成(Y)…」を選択します。

リモートリポジトリを作る際は、作業ディレクトリを作らない「 Bare を生成」をチェックして OK ボタンを押します。
Git サーバーを立ち上げるには、既存のリポジトリをエクスポートして新たなベアリポジトリ (作業ディレクトリを持たないリポジトリ) を作らなければなりません。 これは簡単にできます。 リポジトリをクローンして新たにベアリポジトリを作成するには、clone コマンドでオプション
Git – サーバー用の Git の取得--bare
を指定します。 慣例により、ベアリポジトリのディレクトリ名の最後は.git
とすることになっています。

指定した空のフォルダ内に、作業ディレクトリを持たない、リモートリポジトリを作成できました。
OK ボタンで閉じます。

ローカルリポジトリから PC 内のリモートリポジトリへ Push
作業ディレクトリで追加・変更のコミットを行ったローカルリポジトリのコミット内容を、先ほど作成したリモートリポジトリに Push します。
作業ディレクトリをエクスプローラで開いて、右クリックで表示されるメニュー「TortoiseGit」→「プッシュ」を選択します。

プッシュのダイアログでは、「宛先」枠の「リモート」ラジオボタンが選択されています。
その右側の「管理」ボタンを押して「設定」ダイアログの「Git」→「リモート」ページを開いて、Push するリモート先をリストに追加します。
先ほど作成したリモートリポジトリの URL (例では PC 内なので file:///G:/Dev/remotes/godot/SakuraCrowdGodotLib/) とリモート名(例では origin-internal)を入力して「新規追加 / 保存」ボタンを押します。
※ github のリモートリポジトリを利用する際は https から始まる .git の URL を指定しましたが、ローカルの場合は file:// から始まるパスを指定します。

公式なリモートではないなら、不適切なタグを取得しない為に、このリモートに対するタグの取得を無効にすることをお勧めします。
設定ダイアログのリモートページの「新規追加/保存」ボタンを押した際のダイアログのメッセージ
タグの取得を無効にしますか?
上記の「タグの取得を無効にしますか?」というダイアログでは、今回は自身の作ったリモートリポジトリで、タグの取得を無効にする必要がないので「いいえ」を選択しました。

「リモート」リストに入力したリモートの名前が追加されました。
それを選択すると、先ほど入力したリモート名とリモートリポジトリの URL を確認できます。
OK ボタンで「設定」ダイアログを閉じます。

「Ref」枠の「ローカル」はこの作業ディレクトリの送り元のブランチ名(例ではデフォルトの develop)、「リモート」には、先ほど作成したリモートリポジトリに作成するブランチ名(例では main)を設定します。
例では、この作業ディレクトリの develop ブランチのコミット内容を、リモートリポジトリに main ブランチを作成して保存します。
「宛先」枠の「リモート」ラジオボタンと先ほど追加したリモートの名前(例では origin-internal)が選択されていることを確認します。
オプションでデフォルトでチェックされていた「上流/追跡対象のリモートブランチに設定」チェックボックスは、上流/追跡対象にリモートブランチを設定しないのでチェックを解除しました。
プッシュの設定を確認して OK ボタンを押します。

「上流/追跡対象のリモートブランチに設定」チェックボックスについて
「上流/追跡対象のリモートブランチに設定」チェックボックスは、 TortoiseGit の Push についてのマニュアルを確認すると、送り元のローカルリポジトリのブランチと、送り先のリモートリポジトリのブランチの間に追跡関係を設定する機能の設定です。
これにより、今後、同じ送り元のブランチでプル・プッシュ・マージをする際に、追跡関係を設定した今回の Push で送り先にしたブランチが自動的に選択されます。
Set upstream/track remote branch: After a successful push, the tracking relationship will be set between the pushed local branch and its remote tracking branch. This will select the remote branch automatically for pulling/pushing and merging.
アップストリーム/追跡リモート ブランチの設定: プッシュが成功すると、プッシュされたローカル ブランチとそのリモート追跡ブランチの間に追跡関係が設定されます。これにより、プル/プッシュおよびマージのためにリモート ブランチが自動的に選択されます。
Push – TortoiseGit – Documentation – TortoiseGit – Windows Shell Interface to Git と Google 翻訳
この機能は、 git push コマンドの –set-upstream オプションの内容に似ています。
#実際に確認するには、このチェックボックスを有効にして Push した際のログを確認する必要がありますが、していません。
Updates remote refs using local refs, while sending objects necessary to complete the given refs.
ローカル参照を使用してリモート参照を更新し、指定された参照を完了するために必要なオブジェクトを送信します。
For every branch that is up to date or successfully pushed, add upstream (tracking) reference, used by argument-less git-pull[1] and other commands. For more information, see
branch.
<name>.merge
in git-config[1].最新のブランチ、または正常にプッシュされたブランチごとに、引数なしの git-pull[1] やその他のコマンドで使用されるアップストリーム (追跡) 参照を追加します。詳細については、git-config[1] のbranch..mergeを参照してください。
Git – git-push Documentation と Google 翻訳
Push の結果のログ
先ほど宛先やブランチ名を指定した Push のダイアログで OK ボタンを押すと、以下のログが表示されました。
git.exe push --progress -- "origin-internal" develop:main
develop:main は、送り元のブランチ名と送り先のブランチ名です。
送り先のリモートリポジトリに main ブランチはまだないので、作成されます。

git.exe push --progress -- "origin-internal" develop:main
Enumerating objects: 60, done.
Counting objects: 100% (60/60), done.
Delta compression using up to 12 threads
Compressing objects: 100% (53/53), done.
Writing objects: 100% (60/60), 40.93 KiB | 16.00 KiB/s, done.
Total 60 (delta 19), reused 0 (delta 0), pack-reused 0 (from 0)
To file:///G:/Dev/remotes/godot/SakuraCrowdGodotLib/
* [new branch] develop -> main
成功 (6078 ms @ 2025/08/03 18:37:43)
今回はここまで
次回は、今回ローカルリポジトリから Push したコミット内容を、 PC 内のリモートリポジトリで確認します。
参照サイト Thank You!
- Git
- TortoiseGit – Windows Shell Interface to Git
- GitHub
- Git – サーバー用の Git の取得
- Git – git-push Documentation
記事一覧 → Compota-Soft-Press
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