パソコンには、安定した電源を供給する電源ユニットが配置されています。
今回は、メモリや HDD/SSD の増設、CD/DVD/BD ドライブやグラフィックボードの換装などをする際に重要な、パソコンの合計使用電力と電源ユニットの電源容量の関係について調べたことを紹介します。
ドスパラの電源電卓で概算してみよう
「電源容量計算(電源電卓)電源の選び方|ドスパラ通販【公式】」にアクセスして、パソコンの CPU やグラフィックボードの種類を選択します。
HDD / SSD の個数などを選択すると自動的に高負荷時の最大の総消費電力が概算できます。
今回筆者のパソコンの構成を入力したところ、合計使用電力目安は 310 W でした。
しかし、おすすめ電源容量はその 2 倍の 620 W と表示されています。
筆者のパソコンの電源ユニットは 500 W なので、おすすめ電源容量よりも 120 W 不足していました。
グラフィックボードの換装で必要な電力は 5 W 減るので、その影響ではなく、以前に増設した 2 個の HDD の影響と考えられます。
ちなみに、ドスパラで 2018 年に購入した GALLERIA XT の初期の構成でも 20 W 不足しているので、安全のために少し多めの消費電力で計算しているのかもしれません。
おそらく商品については正確な消費電力を計算して、 250 W 以下を確認しているのだと思います。
USB バスパワーの上限
USB のキーボードやマウスなどを接続している場合、バスパワー( USB ケーブルから供給される形式)で PC 本体から電源を得ているので、調べましたが、最大で 2.5 W でした。
もしも 4 つ USB デバイスをバスパワーで使用している場合は 10 W さらに加算した上で 2 倍する必要があります。
初期のUSB規格から利用できる給電機能で、データの通信に用いるUSBケーブルを経由して、電圧5V、電流500mA、電力2.5Wまでの電力を供給することができる。
USBバスパワー(USB給電 / USB充電)とは – 意味をわかりやすく – IT用語辞典 e-Words
合計使用電力の 2 倍が良いのはなぜ?
先ほどの「電源容量計算(電源電卓)電源の選び方|ドスパラ通販【公式】」によると、PC の最大消費電力の2倍の電力を供給できる電源ユニットが推奨されています。
PC電源の選び方は、システムの最大消費電力の2倍の電源を選ぶようにしましょう。
理由としては以下があります。電源容量計算(電源電卓)電源の選び方|ドスパラ通販【公式】
- パーツを将来アップグレードや拡張するための予備枠
- 電源ユニット自体の劣化防止
- 電源ユニットの電力変換効率の良い負荷率は50%に設計されている
しかし理由の中には、「将来パーツの増設や換装で、より多くの電源容量が必要になることを見越して」という現状の構成とは関係のない理由も含まれています。
もちろん、余裕を持つことは良いとは思いますが、現状の合計使用電力の 2 倍の電源容量にしないと PC が不具合を起こしやすくなるわけではないとも考えられます。
あまりギリギリすぎると電源ユニット自体が劣化しやすくなるので、ある程度の余裕を持った合計使用電力の構成にしておくと良いでしょう。
1.5 倍でも良いのかもしれない理由
他にも、合計使用電力の 1.5 倍から 2 倍の電源容量の電源ユニットが良いと書かれているサイトもあります。
マザーボードは30~50Wぐらい、メモリは1枚につき約5W、ハードディスクは1台につき約30Wで計算してください。その他にも、SSDは1台につき約5W、光学ドライブは1台につき約30W、拡張カード関連は1台約20Wという情報も覚えておいてください。これらをすべて足し算し、パソコンの総消費電力を求めます。
電源ユニットのスペックは総消費電力の1.5~2倍が適しているといわれています。
パソコンの電源ユニットって?ワット数の調べ方から故障原因の調べ方 | パソコン修理・サポートのPCホスピタルがお届けするコラム
また、 PC 電源ユニットの品質の向上が 2010 年前後から急激に向上し、 80PLUS認証によって 800W と書いていても変換効率が低い実質 500W のような劣悪な電源は壊滅したらしいので、2024 年現在では合計使用電力の 2 倍の電源容量にこだわる必要はなさそうです。
それでもギリギリでは、電源ユニット自体にも負担がかかるので、ある程度の余裕は必要です。
#筆者は 1.5 倍の計算で良いのではないかと思いました。
個人的には、もう2倍説にこだわる必要はないと思います。2倍説が有力だったのは、今よりもっとPC電源の品質が低かった時代です。
「電源容量はPC全体の消費電力の2倍」という説について | ゲームPCバンク
(略)
しかし80PLUS認証で変換効率の保証値が明確になってからは、こうした劣悪な電源は壊滅したと言って良いでしょう。
増設するパーツの大きさの確認
グラフィックボードなど、サイズが商品ごとに異なるパーツもあります。
パーツが設置できるだけの空間があるか、一度 PC 本体を見てパーツのサイズなどを計ってみると良いでしょう。
ミニタワーなどコンパクトなサイズの筐体の場合などは特に注意しましょう。
CPU とグラフィックボードの相性について
グラフィックボードを換装する前に調べておきたいもう一つの要素として、CPU との相性があります。
高性能なグラフィックボードに換装しても、性能の低い CPU が足を引っ張り、 PC 全体としての性能が向上しない恐れがあります。
それを回避するために、事前に以下のサイトなどで CPU とグラフィックボードの相性を調べてみると良いでしょう。
PC の CPU について調べる手順については以下を参照してください。
まとめ
今回は、メモリや HDD/SSD の増設、CD/DVD/BD ドライブやグラフィックボードの換装などをする際に重要な、パソコンの合計使用電力と電源ユニットの電源容量の関係について調べたことを紹介しました。
ドスパラのサイト(電源電卓)で、CPU やグラフィックボードの種類、HDD/SSD などの個数を入力することで手軽に合計使用電力目安を計算できることも紹介しました。
参照サイト Thank You!
- 電源容量計算(電源電卓)電源の選び方|ドスパラ通販【公式】
- パソコンの電源ユニットって?ワット数の調べ方から故障原因の調べ方 | パソコン修理・サポートのPCホスピタルがお届けするコラム
- 「電源容量はPC全体の消費電力の2倍」という説について | ゲームPCバンク
- ボトルネック計算機 | PC Builds
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