プログラムなどのバージョン管理を行える、無料のソースコード管理 (SCM: software configuration management) ソフト Git で、コミットする際などに必要になるユーザ名とメールアドレスを設定している3つの段階のファイルと、それらの優先順位について紹介します。
GitHub Desktop 、Git の順番でインストールした後の実際の config ファイルについても紹介します。

※ Git-2.49.0 (64 bit) を使用します。
※ GitHub Desktop Version 3.4.18 (x64) を使用します。
git の config は3段階
git では、コミットで用いるユーザ名やメールアドレスなどの設定をファイルに保存します。
git の config の優先順位は高い方からローカル > グローバル > システムに配置されます。
- ローカル
リポジトリ単位の設定
config ファイルの場所 → リポジトリフォルダ\.git\config
例:G:\Dev\SampleRepository\.git\config
※リポジトリの作成については、後述する git init コマンドの使用例を参照してください。 - グローバル
ユーザ単位の設定
config ファイルの場所 → %HOMEPATH%\.gitconfig
例:C:\Users\ユーザ名\.gitconfig
※ %HOMEPATH% 環境変数はユーザのフォルダパスを表します。 - システム
git インストール単位の設定
config ファイルの場所 → git のインストールフォルダ\etc\gitconfig
例:C:\Program Files\Git\etc\gitconfig
です。
Gitには、
git config
と呼ばれるツールが付属します。これで、どのようにGitが見えて機能するかの全ての面を制御できる設定変数を取得し、設定することができます。 これらの変数は三つの異なる場所に格納されうります:現在使っているリポジトリのGitディレクトリにある
config
ファイル(.git/config
のことです): 特定の単一リポジトリに対する設定値を保持します。
/etc/gitconfig
ファイル: システム上の全てのユーザーと全てのリポジトリに対する設定値を保持します。 もし--system
オプションをgit config
に指定すると、明確にこのファイルに読み書きを行ないます。Git – 最初のGitの構成
~/.gitconfig
か~/.config/git/config
ファイル: 特定のユーザーに対する設定値を保持します。--global
オプションを指定することで、Gitに、明確にこのファイルに読み書きを行なわせることができます。
git config コマンドによる登録ユーザ名・メールアドレスの確認
GitHub Desktop 、Git の順番でインストールした後の、ユーザー名とメールアドレスの設定を、git コマンドで確認します。
git ツールを使うために、コマンドプロンプトを開きます。
※ Windows 10 の場合はデスクトップの左下の検索ボックスに「cmd⏎」と入力すると開きます。

git config ツールでは、ユーザ名やメールアドレスの確認や設定ができます。
–local, –global, –system オプションを付けることで、各段階の config を指定できます。
# グローバルの config のユーザ名の確認
git config --global user.name
# システムの config のメールアドレスの確認
git config --system user.email
以下は、コマンドプロンプトで git config ツールを使用した例です。
C:\Users>git config --global user.name
さくらくらうど
C:\Users>git config --global user.email
(GitHub に登録してあるメールアドレス)
C:\Users>git config user.name
さくらくらうど
C:\Users>git config user.email
(GitHub に登録してあるメールアドレス)
C:\Users>git config --system user.name
C:\Users>git config --system user.email
C:\Users>git config --local user.name
fatal: --local can only be used inside a git repository
C:\Users>git config --local user.email
fatal: --local can only be used inside a git repository
また、 git confg –list コマンドによって、すべての設定を確認できます。
その時点でGitが見つけられる全ての設定を一覧するコマンドである
Git – 最初のGitの構成git config --list
を使う事ができます
グローバル・システムの config ファイルの確認
前章の git config ツールの結果をふまえつつ、実際の各段階の config ファイルの中身を確認してみましょう。
グローバルの config ファイルには、GitHub Desktop のインストールにより設定されたであろう GitHub に登録したユーザ名・メールアドレスが確認できました。
既定のエディターについては、git のインストール時に選択した VS Code が設定されています。
[filter "lfs"]
clean = git-lfs clean -- %f
smudge = git-lfs smudge -- %f
process = git-lfs filter-process
required = true
[user]
name = さくらくらうど
email = (GitHub に登録してあるメールアドレス)
[core]
editor = \"D:\\ProgramFiles\\Microsoft VS Code\\bin\\code\" --wait
システムの config ファイルには、ユーザ名・メールアドレスは設定されていませんでした。
[diff "astextplain"]
textconv = astextplain
[filter "lfs"]
clean = git-lfs clean -- %f
smudge = git-lfs smudge -- %f
process = git-lfs filter-process
required = true
[http]
sslBackend = schannel
[core]
autocrlf = true
fscache = true
symlinks = false
[pull]
rebase = false
[credential]
helper = manager
[credential "https://dev.azure.com"]
useHttpPath = true
[init]
defaultBranch = master
ローカルの config ファイルについては次の章で紹介します。
git init でリポジトリを作成する例
本章では、ローカルの config を確認するために git ツールを使って、リポジトリを作成します。
git ツールを使うために、コマンドプロンプトを開きます。
※ Windows 10 の場合はデスクトップの左下の検索ボックスに「cmd⏎」と入力すると開きます。

リポジトリを作成するには、リポジトリを作成するフォルダまで移動したあと git init コマンドを使用します。
git init コマンドが成功すると「Initialized empty Git repository in フォルダのパス」が表示されます。

リポジトリのローカルのユーザ名・メールアドレスを設定するには、先ほど確認で使った git config ツールの最後のパラメータに、設定する値を指定して実行します。
# カレントディレクトリのリポジトリにローカルのユーザ名を設定
git config user.name "ユーザ名"
# カレントディレクトリのリポジトリにローカルのメールアドレスを設定
git config user.email "メールアドレス"
以下は、コマンドプロンプトで、リポジトリを作成して、そのローカルの config のユーザ名・メールアドレスを設定した後、各段階での値を確認した結果です。
※おおまかな説明は、前述したコマンドプロンプトのスクリーンショット画像の説明文を参照してください。
C:\Users>cd /d G:\Dev
G:\Dev>mkdir SampleRepository
G:\Dev>cd SampleRepository
G:\Dev\SampleRepository>git init
Initialized empty Git repository in G:/Dev/SampleRepository/.git/
G:\Dev\SampleRepository>git config user.name "YourName"
G:\Dev\SampleRepository>git config user.email "YourEmail@example.com"
G:\Dev\SampleRepository>git config user.name
YourName
G:\Dev\SampleRepository>git config user.email
YourEmail@example.com
G:\Dev\SampleRepository>git config --global user.name
さくらくらうど
G:\Dev\SampleRepository>git config --local user.name
YourName
G:\Dev\SampleRepository>git config --system user.name
リポジトリのローカルの config ファイルを見ると、設定したユーザ名とメールアドレスなどが保存されていることが確認できました。

[core]
repositoryformatversion = 0
filemode = false
bare = false
logallrefupdates = true
symlinks = false
ignorecase = true
[user]
name = YourName
email = YourEmail@example.com
関連記事
GitHub Desktop アプリの導入については以下の記事を参照して下さい。
Git の導入については以下の記事を参照して下さい。
まとめ
今回は、プログラムなどのバージョン管理を行える、無料のソースコード管理 (SCM: software configuration management) ソフト Git で、コミットする際などに必要になるユーザ名とメールアドレスを設定している3つの段階のファイルと、それらの優先順位について紹介しました。
GitHub Desktop 、Git の順番でインストールした後の実際の config ファイルについても紹介しました。
参照サイト Thank You!
- Git
- GitHub Japan | GitHub
- GitHub Desktop | Simple collaboration from your desktop
- Git – 最初のGitの構成
- [Git]configファイルの場所(macOS / Windows)
記事一覧 → Compota-Soft-Press
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