AviUtl 拡張編集で中間点で区切った動画の一部を倍速にする2/2

前回は、無料の動画編集ソフト AviUtl の拡張編集の機能を使って動画の一部を倍速にする準備として、動画ファイルを拡張編集ウィンドウのレイヤーに追加して、音声ファイルが動画ファイルと連携していることの確認や、中間点を追加して倍速する範囲を区切る手順を紹介しました。

前回の記事：AviUtl 拡張編集で中間点で区切った動画の一部を倍速にする1/2 | Compota-Soft-Press

AviUtl 拡張編集ウィンドウで動画の倍速部分をクリックすると動画ファイルのウィンドウの上の範囲が３つに分かれて真ん中の範囲が選択されました.

今回は、中間点で区切った範囲を倍速にするための設定と、再生時間が減った分の調整、動画を出力した結果を紹介します。

【注意】中間点で区切った範囲の再生速度を変更すると、音ズレが発生します。この問題は、分割で区切るか patch.aul (r43) 修正プラグインを導入すると対処できます。修正プラグインの導入については「AviUtl 中間点の範囲の倍速で音ずれが発生するバグ修正プラグイン | Compota-Soft-Press」をご覧ください。

※ AviUtl のバージョンは 1.00 です。
※サンプルの動画は、筆者が最近はまっている Steam の Sniper Elite4 のゲームプレイをキャプチャした動画です。

再生速度を瞬間移動で変更する仕組み
範囲ごとの再生速度の設定
1. 倍速前の範囲の再生速度の設定
2. 倍速範囲の再生速度の設定
倍速範囲の調節
倍速にして短くなった分の調節
プロジェクトの保存と AVI 形式などでの出力
テスト
まとめ
参照サイト Thank You!

再生速度を瞬間移動で変更する仕組み

前回、倍速にする範囲の開始と終了の時間位置に中間点を追加して、倍速前と倍速範囲と倍速後の 3 つの範囲に動画ファイルの設定を区切りました。

　倍速前　

　倍速範囲　

　倍速後　

動画ファイルを倍速と前後の 3 つの範囲に分けました。

動画ファイルの設定の項目の一つ「再生速度」を 100 ( 1 倍速) から 200 ( 2 倍速) に切り替え、倍速範囲の終わりで再び 100 ( 1 倍速) に戻す設定を行います。

範囲	倍速前	倍速範囲	倍速後
再生速度	100	200	100

動画ファイルを倍速と前後の 3 つの範囲に分けました。

範囲の終端で一瞬で値を変化させるには、「動画ファイル」ウィンドウの「再生速度」ボタンを押して表示されるリストから「瞬間移動」を選択します。

再生速度の変化を「瞬間移動」にすると、「再生速度」ボタンの左側の値で範囲内を再生し、範囲が終了して次の範囲に移るときに右側の値に瞬間的に変化します。

AviUtl 拡張編集ウィンドウで範囲を選択して、再生速度を瞬間移動に変えて左側に範囲内の再生速度、右側に次の範囲に切り替わる際に変更する再生速度を設定します..

そのため、「倍速前」の範囲で、左側の値を 100 ( 1 倍速) 、右側の値を 200 ( 2 倍速) にして、「倍速範囲」に切り替わるタイミングで再生速度を 200 ( 2 倍速) に変更します。
「倍速範囲」では左側の値が 200 ( 2 倍速) 、右側の値を 100 ( 1 倍速)にして、「倍速範囲」の再生中は 2 倍速にして範囲が終了するタイミングで 100 ( 1 倍速) に変更します。

範囲	倍速前	倍速範囲	倍速後
再生速度 (左側の値)	100	200	100
次の範囲の再生速度 (右側の値)	200	100	100

動画ファイルを倍速と前後の 3 つの範囲に分けました。

範囲ごとの再生速度の設定

前述したように再生速度を変更します。
対象は、倍速前の範囲と倍速範囲の 2 つの再生速度の設定です。

倍速前の範囲の再生速度の設定

拡張編集ウィンドウのレイヤー 1 の青枠の中間点で 3 つに区切られた範囲の中から左側の倍速前の範囲を選択します。
「動画ファイル」ウィンドウの上側のバーで、その範囲が青くなり対象になっていることを確認します。

再生速度ボタンを押して「移動なし」から「瞬間移動」に切り替えた後、右側の値を 200 に変更します。

これで、最初の範囲の再生は 1 倍速で、その次の範囲である倍速範囲に切り替わると 2 倍速に瞬間的に変わります。

AviUtl 拡張編集ウィンドウで動画の倍速前の範囲を選択して動画ファイルウィンドウの再生速度の右側の値を200に変更します.

倍速範囲の再生速度の設定

次に、拡張編集ウィンドウのレイヤー 1 の中間点で区切られた 3 つの範囲の真ん中の倍速範囲を選択します。

「動画ファイル」ウィンドウの上のバーで、その範囲が青くなり設定の対象になっていることを確認します。

先ほどの倍速前の範囲の設定により、再生速度の左側の値は 200 に変更されていて、右側は既定値の 100 であることを確認します。

再生速度ボタンを押して「移動無し」から「瞬間移動」に変えます。

これで、倍速範囲は 2 倍速で再生され、その次の範囲に切り替わるときに瞬間的に 1 倍速に変わります。

AviUtl 拡張編集ウィンドウで動画の倍速する範囲を選択して動画ファイルウィンドウの再生速度が瞬間移動であることと右が200左が200になっていることを確認します.

倍速後の範囲については、変更する必要はありません。

倍速範囲の調節

中間点を追加するときに、適切な時間位置を指定して倍速範囲を区切りましたが、再生速度の設定をしてから再生してみると範囲がずれていました。

拡張編集ウィンドウのレイヤー 1 の青枠の中間点 2 つの▼と破線をドラッグして左右に移動して、倍速範囲を調節しましょう。

AviUtl 拡張編集ウィンドウで動画の倍速する範囲の終端がずれているので三角マークや破線をドラッグして調整します.

倍速にして短くなった分の調節

倍速にすると再生時間が短くなります。
動画ファイルの青枠も短くなるので、音声ファイルの赤枠の右端をドラッグして左に移動して、動画ファイルの青枠と同じ終了位置になるように調節します。

AviUtl 拡張編集ウィンドウで動画が倍速する分短くなったので音声ファイルも同じ幅に調整します.

短くなった分、後半に真っ暗で無音な映像部分ができました。
AviUtl メインウィンドウの下の青い部分で、後半にできた不要な部分の開始位置を選択して、Shift キーを押しながら動画の終端を選択（または End キー）して、不要な部分を範囲選択して、メニュー「編集」→「選択範囲のフレーム削除」を選択して範囲選択した部分を削除します。