前回までは、Unity のアセット TopDown Engine のサンプルゲームの一つ KoalaDungeon のマップを表示するための仕組みについて紹介しました。

KoalaDungeon の WallsShadow タイルマップは Transform で位置をずらし、マテリアルも灰色のスプライトを設定しています。

今回は、サンプルのタイルマップを、サンプルのパレットを使って塗り替える手順を紹介します。
と、言いたいのですが、サンプルのパレットはまだ動作しないタイルがほとんどのため、今回はそれらのタイルを利用できるようにする手順を紹介します。
慣れてきたら独自のマップチップのパレットを作成して、独自のマップを作ってみると良いでしょう。
※ Unity は 2021.3.14f1、TopDown Engine は 3.1.1、2D Tilemap Extras は 2.2.2 です。

サンプルのパレットで描画できない原因

サンプルのパレット KoalaTilePalette を使って、 KoalaDungeon のタイルマップにマップチップを塗ったのですが、変化がありませんでした。

パレットについて調べると、パレットのアセットが置かれているフォルダのスクリプト群が全て Missing になっていました。

Koala2D のパレットがあるフォルダの全てのScriptがMissingになっていました。

ファイル名が KoalaDungeonCarpetTiles など Tiles がつくことからタイルのスクリプトのようです。

公式の「How to install the TopDown Engine | TopDown Engine Documentation」を読むと

The engine uses tilemaps in some of its demos (Koala, Grasslands for example). If you wish to use or edit these tilemaps, you will need to add Unity’s 2D extras to your project, as most of the tiles in these demos’ tile palettes rely on them.

https://topdown-engine-docs.moremountains.com/install.html より

と書かれており、サンプルをプレイしたり、ゲーム制作をする上では問題ないけれど、タイルマップを KoalaTilePalette パレットを使って編集するには、 2D Tilemap Extras を import し、それに含まれるスクリプトを利用する必要があるようです。

2D Tilemap Extras の import

2D Tilemap Extras の import の手順を紹介します。
※ 2D Extras のバージョンは 2.2.2 です。

公式の「How to install the TopDown Engine | TopDown Engine Documentation」に書いてある手順に沿って、Unity-Technologies / 2D Extras の zip 版をダウンロードし解凍します。
解凍した中にある README.md を開きます。

## How to use this

You can use this in two different ways: downloading this repository or adding it to your project’s Package Manager manifest.

Alternatively, you can pick and choose the scripts that you want by placing only these scripts in your project’s `Assets` folder.

### Download

#### Setup
Download or clone this repository into your project in the folder `Packages/com.unity.2d.tilemap.extras`.

### Package Manager Manifest

#### Requirements
[Git](https://git-scm.com/) must be installed and added to your path.

#### Setup
The following line needs to be added to your `Packages/manifest.json` file in your Unity Project under the `dependencies` section:

“`json
“com.unity.2d.tilemap.extras”: “https://github.com/Unity-Technologies/2d-extras.git#master”
“`

Unity-Technologies / 2D Extras README.md より

最初の方を機械翻訳すると次のようになりました。

これは、このリポジトリをダウンロードするか、プロジェクトのパッケージマネージャーマニフェストに追加するという 2 つの異なる方法で使用できます。

または、これらのスクリプトのみをプロジェクトの「Assets」フォルダーに配置することで、必要なスクリプトを選択することもできます。

スクリプトを選択して Assets に追加するのは難しいので、 Package Manager が参照する manifest.json に追加して Packages フォルダ以下に 2D Tilemap Extras を追加することにします。

Unity プロジェクトの Packages/manifest.json にさきほどの README.md の json の部分で指定された

“com.unity.2d.tilemap.extras”: “https://github.com/Unity-Technologies/2d-extras.git#master”

を dependencies の辞書の一番最初に追加・保存します。

{
  "dependencies": {
    "com.unity.2d.tilemap.extras": "https://github.com/Unity-Technologies/2d-extras.git#master",
    "com.unity.2d.pixel-perfect": "5.0.1",
つ

※追加した行末に , を入れて json の構文が破綻しないように注意しましょう。

Unity エディタを開き、 Project ウィンドウの Packages フォルダを見ると、PackageManager 経由で Package フォルダの下に 2D Tilempa Extras が追加されています。

PackageManager 経由で Package フォルダの下に 2D Tilempa Extras が追加されました。

先ほど KoalaTilePalette パレットがあるフォルダの～ Tile というファイルを選択すると Missing (Mono Script) と表示されていましたが、2D Tilemap Extras の import によりスクリプトが見つかり、 Inspector に missing の代わりに Rule Tile などタイルの機能に応じた設定が表示されました。

Unity KoalaDungeon の Tile の Script が見つかり Rule Tile の設定が表示されました。